東京デザイナーズウィーク2009
デザイナーの吉岡徳仁が、パイオニアであることの意味について、今回のショートインタビュー(東京デザイナーズウィーク用ガイドブックに掲載 Dezeen制作)で自身の考えを述べている。
パイオニアであることは、
デザイナーの重要な仕事の一部です
ーーー吉岡徳仁
リサイクルだけが解決策なのではありません。私たちはエネルギー消費を抑えるあらゆる方法を探るべきなのです。私は今、これまでにない素材と製造方法を試しているところで、来年のミラノのイベントでそれを発表できればと思っています。パイオニアであることは、デザイナーの仕事の一部です。
駆け出しの頃、私にとって重要だったのは「形」でしたが、今の私は「感情」を重要視しています。人間の持つプラスの感情に訴えたいと思うのです。ちょうどロンドンのカンペールストアの内装デザインを終えたところですが、そこでは壁全体を、人口のスエードを使った花びらのような素材で埋め尽くしました。一つ一つ異なる花びらがめくるめく万華鏡のような印象を与える、気持ちのいい空間です。感覚や感情とはデザインされ得るものなのです。
特に自然を模倣するつもりはありません。無意識のうちにそうなっています。2010年に東京で行う展覧会ではもっと直接的に「自然」というテーマに取り組むことになるでしょう。またクリスタルを使った試みも再び実践中です。結晶の多面体の表面に光が反射する様はとても魅力的です。
現在私の住居と職場は、渋谷区の代官山にあります。私のスタジオは、元は東京の郊外にあった古い米蔵で、それを今の場所へ運んできたものです。以前はそこに住んでもいました。150年前に作られた木造建築物と、現代の素材を融合させているのですが、そういった古さと新しさの対比が私は好きです。古くから受け継いできたものに興味があります。デザインによってそれを作り出すのは不可能ですから。そういった古いものと、不可能を可能にする最新の技術という、ふたつの異なる世界の対比に魅了されます。
吉岡徳仁:デザイナー。吉岡徳仁デザイン事務所代表。
写真/フィル・フィスク
アートディレクション/ミーシャ・ウィードマン
インタビュー/マライカ・ビング
このインタビューは、東京デザイナーズウィークの公式ガイドブックに掲載されたもの。ガイドブックのプロデュースはDezeen、アートディレクションはミーシャ・ウィードマンによる。

コメントする