東京デザイナーズウィーク2009
グリーンなデザインをテーマにしたこのショートインタビューシリーズ(東京デザイナーズウィークのガイドブックに掲載)、次に登場するのはデザイナーのトム・ディクソン。新たにものを作り出すことについての迷いを語ってくれた。
試行錯誤し続けること
ーーートム・ディクソン
グリーンである事は、実は、消費する側にいるすべての人間にとって、非常に難しい課題です。そして実際、それこそがデザイナーの仕事なのです。私たちは常にジレンマと向き合っています。実際のところなにも作らないほうがよいのではないか、と。
私のスタンスは、常に試行錯誤を繰り返し、話し合いを呼び掛けていくことです。私は今まで、新しいものを売り出していくよりも、すでにあるものをメンテナンスすることに、重きを置いてきました。最近手掛けたグリーン・プロジェクトは、ロンドンのデザイン・ミュージアムと提携して、1949年製の私のベントレーを電動に改造するというものでした。しかし、いつもなにかをするたびに、自分が思うほどそれはECOではない事に気づきます。例えば、使い捨ての電池がそうです。偽善的でもなく、だからといって緑化を妨げるわけでもない。それは、とても難しいことなのです。
最近、私は西ロンドンのポートベロー・ドックに、初の常設ショールームをオープンしました。かつて、ヴァージンのレコーディング・スタジオだった場所で、そこから家具のヒット作を生み出したいと思っています。
いつの日か、東京に住んでみたいと思っています。知れば知るほど、ますますその魅力に惹きつけられていくのです。日本には、これまで培われてきた独自の美意識があり、日本人の空間と、ものの使い方には、感心させられます。それは、私にはまねのできないものです。
私にとって、もっとも思い出に残っている東京の夜は、ニューハーフのカラオケ・クラブに行ったことです。ナイジェル・コーツ氏にだまされて連れて行かれたのです。しかも、最後にはマリリン・モンローの格好までさせられてしまいました。
トム・ディクソン : ロンドンでデザイン・スタジオを持つ。
写真/フィル・フィスク
アートディレクション/ミーシャ・ウィードマン
インタビュー/マライカ・ビング
このインタビューは、東京デザイナーズウィークの公式ガイドブックに掲載されたもの。ガイドブックのプロデュースはDezeen、アートディレクションはミーシャ・ウィードマンによる。

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