
「ワークショップ・チェアー」と名付けられたこの作品は、セイモア氏による「アマチュア」と題されたコンセプチュアルアート作品群の一つである。

セイモア氏が企画する晩餐会のようなイベントでは、創造力の象徴として至る所にワックスが使われている。

「ワークショップ・チェアー」は、木製の棒をポリカプロラクトンワックスで固定して制作されている。

ジャージー・セイモア氏に関するDezeenの記事はこちら(Scum Light (March 2007)

ジャージー・セイモア氏による「アマチュア(ラテン語の熱烈な愛好家)」集団の可能性を追求した結集とも言える「ワークショップ・チェアー」展示会は、ワックス(ろう)を素材と同時に全ての人間が備えている創造力の象徴として捉え、ユートピア思想の実現に向けて本格的な議論をする場を提供するものです。

この展示会の先駆けとなった「ファースト・サパー」は、2008年にオーストリアのウィーンあるMAK(オーストリア応用美術博物館)で開催され、最初にワックスを使った食卓が披露され、次に食べ物が提供された晩餐会では、料理が生産、消費、さらに「アマチュア」集団の可能性を探る象徴として使われ、招待された人々は地位や身分を越えた自由な雰囲気の中でユートピア思想を語り合ったのです。この後、2009年にヘアフォルトのMARTA美術館において、19世紀のパリで日の目を見なかった絵画を展示したsalon des refuses(落選展)にちなんだ「アマチュア・サロン」として受け継がれ、「アマチュア集団」の理想像について議論する場になりました。壁を兼ねた巨大な図表はアマチュア集団の潜在能力を表し、水温が33度に設定された火口のような水槽は、さながら来訪者がお湯に漬かりながら瞑想するための創造の泉なのです。そしてアマチュア集団の結集とも言えるルクセンブルグMUDAM美術館で開催された展示会は、物理的そして精神的の両面から来訪者にワークショップを提供し、多くの芸術家やデザイナーにはワックスを使った作品を制作し、自由な立場からアマチュア精神をコメントや批評、さらに変革や否定する場を提供しました。すなわち、ユートピア思想を反ユートピア精神の立場から議論したのです。
この時点まで、「アマチュア」集団の活動は、美術館という限定された場所で行われてきた人為的なプロジェクトであり、そこでは、近代資本主義の限界から意図的に目を逸らして、社会全体の機能を建設的な立場から眺めることは不可能なのです。
ジャージー・セイモア氏がデザインした「ワークショップ・チェアー」は、この現実を踏まえて制作されたものであり、木製の棒を組み合わせた頑丈な椅子は、ワックスとユーモア溢れる製造技術、そして僅かな投資で欧米型資本主義経済から手工芸という人間性を取り戻すことを可能にしてくれます。この「ワークショップ・チェアー」は、現在の経済体制の中で、全ての人に新たな作品への創造意欲をかき立ててくれるのです。
「ワークショップ・チェアー」は、木製の棒をポリカプロラクトンワックスで固定し、100%生分解性の素材を使った完全修復の出来る椅子で、最も厳しい家具の耐久テスト(レベル5)に合格した製品です。
ワックスの色は、赤、茶、グレーの3色が用意されています。
投稿/ローズ・エサリントン
翻訳/ハートフル・ジャパン 鳴海 亨
Dezeem記事(オリジナル)はこちら。
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