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ポッドキャスト: デザイン・ミュージアムで開催されている展覧会「Sustainable Futures」(持続可能な未来)




Dezeenポッドキャスト:キュレーターのニナ・デュー氏(Nina Due)がロンドンのデザイン・ミュージアムで開催されている展覧会「Sustainable Futures」のガイドツアーを行なった。















私はニナ・デューです。デザイン・ミュージアムのエキシビション責任者です。

このエキシビションではデザインの影響がどのように未来を変えるかをテーマにしています。3月31日から9月5日まで開催しています。


以下はインタビューの概要

「持続可能な未来」というテーマは日常の生活シーンにおいて何か特別なものということではなくて、デザインというものがどのように日常生活に関して影響を与えるかということを考えるためのテーマです。

そのなかで、環境レベルだけでなくより一般的レベルで私たちの生活に関係のある5つのテーマを選びました。都市・エネルギーと経済・マテリアリティ・市民の創造・食物への考慮です。

単 に持続可能にデザインされた製品やオブジェクトを観賞するだけでなく都市におけるインフラストラクチャーやデザインという分野がこの問題にアプローチする 中で経済がどのような役割を果たす事ができるのか、また公では試されていないプロジェクトで改良の余地のあるもののポテンシャルをさらに上げていくことが 目的とされています。

そして、5つのテーマごとに展示されたプロジェクトによってみなさんが未来を変えうる持続可能なデザインというものに対して何か感じることができれば幸いです。

最初のテーマである都市のゾーンではブラジルの南部にあるクリチバ市を例にしています。70年代に当時の市長によって先導されて計画そして建設された画期的でサステイナブルな都市のひとつです。親しみのある都市空間、政府の関与など参考になる計画の良例です。

一方、フォスター&パートナーズが手がけるマスダール市のマスタープランです。すでに存在する都市組織を利用しながら未来の抱える同様の問題とともに持続可能性の限界をどれだけ押し広げることができるかがおもしろいところです。

実験的な視点で見ると、このプロジェクトは問題に対して単なる建築的なアプローチを行なうだけでなく、都市での居住とは一体どういうことなのかに取り組んでいます。

例えば新しい道路を挿入していますが、それが街中の日影の役目を果たしています。都市の機能はほぼ地下レベルに位置し、上部は歩道になっています。こうして、都市のインフラストラクチャーを提案しながら、人々の必要とする建築と自然との対話を図っているのです。

次はエネルギーと経済です。

これは非常に複雑で難しいテーマです。沢山のお金やエネルギーを費やして多くの人が取り組んでいるテーマですが、実現するまでに相当の労力がかかります。

その中での太陽熱に関するプロジェクトを紹介します。

80年代から90年代にかけてドイツで行なわれた計画の例です。建築と非常に強い関係で融合しながら電力源を使ってどのように居住または労働環境を作り出すことができるかについてです。

も うひとつのプロジェクトは数年前にすでに発表されたプロジェクトですが、ソーラーパネルからのエネルギーによって駆動する水上シャトルです。当時よりさら に改良されており、ソーラーエネルギーをもっと変わったことに使えるのではないかと提案しています。これは単にハイテクを追求した生産物ではなく、ソー ラーテクノロジーの限界に挑戦したものと言えます。

こちらは木製の「mango radio」というプロジェクトです。

イン ドネシア出身のデザイナーは卒業後、地元に戻りその地の豊かな資源である植林に気がつきました。地域の伝統的な工芸技術とこの資源を利用して、また自ら学 んだモダンな技術を地元のコミュニティに広める活動としてこのラジオを制作しました。植林の育つペースとこのローテクな装置の生産過程に注目しています。

マテリアリティ

このテーマにおけるプロジェクトはファッションに関係したものです。

英国デザイナーのクリストファ--・ラーバーン氏は余剰のパラシュート用素材で衣類をデザインしました。単に再生材料を使用するのですが、持続可能性への巧妙なアプローチをしています。

次 のプロジェクトは世界的に有名な靴メーカーPUMAです。デザイナーのイヴ・ベアール氏が制作した靴箱はボール紙やその他の材料の使用を削減したもので す。この箱の生産工程ですでに多大な資源が節約され、もちろん多額のお金も節約されるわけです。生産ラインから店舗に出荷されるまでの輸送エネルギー、販 売時のプラスチック袋の節約なども見込んでいます。

全体的な視点で見ると、このような活動を通してこの有名ブランドはビジネス的戦略を狙っているのです。見た目だけを追求するブランドではなく、環境に配慮した活動をしている素晴らしい企業だということを賢くアピールしています。

創造的市民

こ のエキシビションの目的は、紹介されている問題、製品、プロジェクトと一般の人々の関係性を認識し、掲げているテーマが決して独占的で専門的なことではな いことを理解してもらうことです。また様々なプロジェクトは開発段階にあり、市民の意見やアイデアを取り入れながら完成させていくことが理想です。デザイ ナーによるすばらしいデザインに興味を示すとともに、皆さん自身の日常の生活習慣などを見直す機会になるでしょう。お互いの相互作用によってどのように持 続可能な未来社会を創っていくのかを考えるべきだと思います。

オープンソース(まだ未完成)のプロジェクトの例として「common」と呼ばれる水素自動車があります。

一 般的に車の性能や機能などはショール--ムでの説明で知るわけで、道路を走っている車に対して、我々は外観などの品定めしかできないのです。この水素自動 車に関しては、単なるスタイリングや機能設計の善し悪しを追求するだけではなく、移動手段全体的な意義に対する考察を試みています。

この車自体が提供する機能サービスは未来の要求を反映しているのです。そして交通機関の経験というものの全体論をさらに追求することを試みているわけです。

もう一つのプロジェクトの説明です。

こ のプロジェクトでは市民がどのように学校に関する創造的プロセスとデザインに関与できるのかを実証しています。デザインファウンデーションがデザイナーや 建築家を学校に招待して、建物を改修したほうがいいのかとか、新築したらいいのかなどのアドバイスをします。主に小学校の生徒たちによって揚げられた要旨 に則って市民と招待された建築家が共にプロジェクトを進めていくのは、単に素晴らしいデザインを導くためだけでなく、生徒に新しいスキルや社会的な行動、 大人との相互関係などを教えるためです。そしてプロジェクト意は生徒たちの意見や参加が反映されるのです。

ポール・スミスは新しい制服をデザインするために招待されました。彼のデザイン理念など関係なく子供たちと交わることでより注意深くこれからの制服はどんなであるべきかを解くヒントを得るわけです。

建物に関しても同様です。

数年のうちに子供たちと建築家が提案したアイデアが実現することになるわけですが、このような共同作業環境から学ぶことは非常に大切で意味あることなのです。

このプロジェクトのキーポイントは単に出来上がった建物を利用するのではなく、市民たちが建物を完成するに当たっての自らの関与を実感して彼らの要求を満たすことなのです。

食物への考慮

さ らに実験的なプロジェクトがあります。産業革命以前の食習慣つまり地元で採れるものや季節折々の食物を食べることは日常生活の一部でそれに対して疑問を抱 くことはありませんでした。しかし時が過ぎ、現代の私たちはいつでも世界中のあらゆる食物を口にすることができるのです、少なくとも西洋の国々では。

私たちは需要と供給の因果関係を忘れてしまい、単にスーパーマーケットにお世話になっているだけなのです。ここでのテーマでは食について注目し、建築デザインによってどのように人々を食べ物の選択方法に関して興味を抱かせるかを探っています。

例 えば建築家であるFritz Haeg氏はアメリカや英国にたくさんのプロジェクトを実践してきました。彼は独自の菜園をローカルコミュニティと共に作ることを試みました。野菜畑に基 本的に必要ものを備えた植木鉢をデザインしました。そしてこのプロジェクトに参加する異世代に渡る人々が畑を育てようという意欲を呼び起こすことを彼は試 みたのです。

確かにこのプロジェクトは素晴らしいデザインを生み出すこととはかけ離れると感じるかもしれませんが、それでもデザインと建築 家がローカルコミュニティに関与して市民とともにアイデア全体を進展させることが可能だということを示しています。身の回りの空間をどのように利用するか を考えるプロジェクトでもあります。

こ れに準じたMathieu Lehanneur氏の「Local River」というプロジェクトのアイデアは地元の産物を食すことと家庭菜園(飼育)をもとにしています。都市における家庭菜園(飼育)はたとえベランダ の菜園でもいいのですが、屋内での菜園の可能性を探ります。彼のデザインコンセプトは全体的に魚と植物の食システムに関連しています。この水槽は特に淡水 魚を運んで来て育て食べることができるまで繁殖させる仕組みを紹介しています。この仕組みを通して植物は水システムのおかげで育ち、有効的に魚と植物を所 有することができ、それらで自給自足できるのです。

発端のアイデアである地元のものを食べるという産業革命以前の原始的食習慣を斬新な方法で表現したプロジェクトと言えるでしょう。



ポッドキャストではデュー氏が、都市・エネルギーと経済・物質・食物・創造的市民という5つのテーマに沿ったエリアを歩きながらエキシビジョンを紹介する。


上:ブラジル、クリチバ市


説明のあったプロジェクトは余ったパラシュート素材で作られた衣類、Mathieu Lehanneur氏のアイデア、リビングルームでの飼育(以前の関連記事参照)やYves Behar氏(以前の関連記事参照)による靴ブランドのプーマのための新しいパケージなどを含む。


上:フォスター&パートナーズによるマスダール市


エキシビションは同ミュージアムにて9月5日まで開催。

上:ソーラーラボ・リサーチ&デザインによるソーラー・シャトル

写真:ルーク・ヘイズ氏(Luke Hayes


上:マンゴ木製ラジオ

全てのポッドキャストを聴く場合はこちら。

デザイン・ミュージアムからの詳しい情報は以下の通り。


世界初のカーボンニュトラルな都市から水槽の役目も兼ねる冷蔵庫まで、このエキシビションではそれらのデザインにおいて持続性の問題に取り組む幅広い製品、アイデア、プロジェクトを探求しています。


上:Pumaによる賢い小さなバッグ

プロトタイプ、サンプル、製品や映像を通して、世界に対する個人の影響やそれをどのように変えていくか、さらに知ることができます。


上:Mathieu Lehanneurによるアンドレア空気清浄器


都市・エネルギーと経済・物質・食物・創造的市民という5つのテーマを提案することで、この全体概要はデザイナーの役割の変化を示し、デザインというものがどのような変化をもたらすことができるかを提案しています。


上:オープンソース水素自動車


上:プラスチキ号


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