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コーラム・モートンが設計したあずま屋「グロット(隠れ家)」

ガラスの箱に入ったこの洞窟、実はメルボルンのデザイナー、コーラム・モートン氏が設計したあずま屋だ。


バロック様式の庭園にあるグロット(Grotto)と呼ばれるこの建造物は、八方からの小道が合流する地点に建てられている。


マジックミラーで覆われこのあずま屋は、外の景色を映し出す日中とは対照的に、夜になると内部が照らされ、中にある巨大な岩のような建造物が姿を現す。

中の建造物は地面を掘って建てられているため、中に入ると目の位置にある穴から外の景色が眺められる。


内装はオランダのデザイナーOlav Koremanが手がけた。


Dezeenのあずま屋に関する記事はDezeen's top ten pavilions.


モートン氏からの説明は以下の通りである。



2007年、コーラム・モートン氏はFundament Foundationより、De Oude Warande公園にあずま屋を建築する依頼を受けました。バロック様式庭園の特徴を生かすために、あずま屋を建築する場所は、八方から小道が合流して星のような模様を描く公園の中心部以外には考えられなかったのです。

 


しかし、もしここにあずま屋を建築すれば、星の模様は当然損なわれてしまいます。この難題を克服するために、モートン氏は実に単純で巧妙な方法を取り入れました。それが内部の見えないあずま屋なのです。


外観はミラーになっているために形がぼやけ、星のように合流する8本の小道が全て映し出されます。外装のミラーは建物の正面であると同時に、内部の目隠しでもあり、そこに映し出された風景が実際の風景と一体になります。しかし、このバロック風の景色は単なる幻想として、視界の一部になっているに過ぎないのです。



このあずま屋(幅10m、奥行6m、高さ4m)に一度入ると、誰もがバロック風庭園の典型的な特色を目の当たりにします。洞窟のようになった室内は、地下75センチメートルの位置に建てられています。あずま屋の正面がマジックミラーになっているため、目の高さにある室内の壁穴からは外の景色が眺められます。ミラーのあずま屋は内部が照らされる夜になると、周囲の風景を映し出す日中とは対照的に、埋葬塚を思わせる黒い土の塊に変身します。日没とともにゆっくりと変化するこのあずま屋は、外観だけではなく、存在意義自体も変わっていくのです。

「グロット」はバロック様式の庭園建造物であるだけでなく、目隠しや洞窟、さらに埋葬塚でもあり、勿論あずま屋としての機能も果たします。コーラム・モートン氏の発想の根底にあるのは、バロック様式、現代の娯楽のあり方、仲間と集う場を求める人間の習性、そして建築の内部と外部が創り出す刺激的な緊張感への願望なのです。「当初、私はDe Oude Warande公園のバロック様式と対立するデザインをイメージしていました。しかし、今分かったことは、このあずま屋(グロット)自体が矛盾をはらんでいるということです。」モートン氏はこのように述べています。「グロット」はコンサート会場の他に、食事を提供する簡単な設備を備えたあずま屋です。

キッチンと家具類は、現在オランダ居住でモレンショットやブレダで活躍するデザイナー、Olav Koreman氏(1959年オランダ、ブレダ生まれ)がデザインしたもので、典型的なオランダの伝統的デザイン(De Stijil)と、Sol LeWittのようなミニマルアーティストの技法を取り入れています。Koreman氏がこの技法を用いることで、「グロット」の内装や外装は限りなく魅力にあふれ、同時にその複雑な存在感を維持し続けています。

 

投稿/ローズ・エサリントン

翻訳/ハートフル・ジャパン 鳴海 亨

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