「宝石を纏った芸術家―回想(1972年~2010年)」と題したこの展示会は、ワトキンズ氏制作のミニチュアから、衣類のように身にまとうことが出来る巨大な宝石68点が展示されている。




写真は全てデイビッド・ワトキンズ氏による。
ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館からの情報は以下の通り。
デイビッド・ワトキンズ:「宝石を纏った芸術家」展 2010年2月23日~9月26日
著名な現代宝石職人であるデイビッド・ワトキンズ氏の作品を一同に集めた展示会が、2月にヴィクトリア・アンド・アルバート美術館で始まりました。ワトキンズ氏の宝石の特色は技術や素材の変遷にあり、この展示会では彫刻のような単純な作品から、躍動感と即興性を形や色彩に印象付ける作品、さらに装着する人の体との相互作用を意図した衣類のように巨大な宝石に至るまでの幅広い作品を網羅しています。ワトキンズ氏の経歴は、ジャズピアニストから始まり、彫刻家、さらにスタンリー・キューブリック監督の映画『2001年宇宙の旅』における宇宙船模型の製作者など多岐に渡ります。氏の初期の作品にはこれらの経歴から生まれた美的手腕が反映され、宇宙探索や月面着陸ステーションを彷彿させる銀と白のエナメル製ネックレスやブローチなども展示されています。

この展示会で注目すべき点は、ワトキンズ氏が紙や金、さらに工業用原料である鋼鉄、アルミ、チタンなどの素材を斬新な発想で使用していることです。作品は年代順に展示され、初期のモノクローム作品から始まり、ジャズの影響を受けた1980年代に制作されたものは、ネオプレインで装飾された鋼鉄製のフレームが何重にもなって装着する人の体に巻きつく特色ある作品になっています。1990年代になると、金と優れた金細工の技術を再び取り入れた作品が主流になり、同時に自然や幾何学模様の影響を受けたより素朴な作品もいくつか展示されます。

ワトキンズ氏はコンピューターを駆使したデザインの先駆者的存在で、近年の作品には、この分野に対する氏の高い関心が反映されています。コンピューターを使って初期の作品を再構成した代表例や、「実際の人間」をモデルに見立て、大胆な幾何学模様をあしらった最新作のブレスレットやブローチも展示されます。
ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館は、イギリスの食器類や多彩な銀器を集めた公共施設として、世界に類を見ない規模を誇ります。Whiteley Silver Galleriesは2002年にヴィクトリア・アンド・アルバート美術館内に設立され、芸術や社会、歴史さらに地理的な視点から特に価値の高い作品を展示しています。西暦1400年から今日に至るまでの3,500点以上の作品が展示されています。中でも貴重なのは18世紀中期のアシュバーハム銀器や、かつてイギリスが生んだ偉大な軍人である初代マールバラ公ことジョン・チャーチルの遺品であり、フランスの銀細工師エリー・パコットが制作した18世紀の水差しや洗面台などがあります。
投稿/アントニア・アナスタシアディ
翻訳/ハートフル・ジャパン 鳴海 亨
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