
中国のデザイン事務所ベクター・アーキテクツが中国合肥市に建設したショールームは、建物に囲まれた一連の中庭が特徴的だ。

「束の間の街」と呼ばれるこのプロジェクトは、開発地域の騒音や粉塵を遮断し、風、水、植物などのような心地よい自然を取り込むことを目的としている。

建物はコールテン鋼で覆われた立方形で、建築現場の片側に中庭と隣接して不規則に並んでいる。

中庭の両側は、光を通す二重の繊維ガラス製スクリーンで囲まれているため、通りから見ると無色半透明で、内側からは色が付いているように見える。

撮影/Shuhe Photo.

ベクター・アーキテクツからの情報は以下の通り。
ベクター・アーキテクツ制作「Momentary City(束の間の街)」― 中国国土資源局依頼による合肥大街ショールーム
デザイン構想:Momentary City
多くの都市が急速に変貌を遂げる中国にあって、合肥市も例外ではありません。

昔ながらの都市景観は完全に崩壊し、無味乾燥な巨大コンクリートの塊にとって代わりました。

容赦ない都市化の波は合肥市にも今押し寄せています。そこで我々はこのプロジェクトに「束の間の街」という名称を与えたのです。

街の周辺は取り壊され、新しい建設現場が「束の間の街」を防護壁で囲っています。

我々が築こうとしているのは、人々の心に平和と安らぎを与えてくれる場所です。

そこは外からの騒音や粉塵を遮断し、束の間の自然の風物である光と影、水と波紋、風と音、植物と香りを心に焼き付け、長く記憶に留めておく場所なのです。

これらの風物を一つずつ取り込んだ個々の中庭は、市街地とその内側の空間を縫うように配置され、建物と街が隣接しているように見えます。

これらの中庭の両側は、二重になった工業用の繊維ガラス製スクリーンで囲まれています。

中庭の内側ではスクリーンの色が変化し、刻々と変わる中庭の様子を映し出します。一方外側の通りから見るスクリーンは、無色で半透明です。

この色の変化が、通りから眺めると微妙な効果をもたらします。

位置や距離を変えて眺めると、スクリーンの外見も変化します。

夜になって中庭や木々が照らされると、スクリーンから反射する柔らかい光が、歩道に色合いを添えます。

中庭のレイアウトは、空間が移り変わる様子を伝える上で、欠くことのできない内部構造です。

北面の壁に備え付けられたクリアストリーによって、日光が直接、間接を問わず内部に差し込みます。

光によって空間と時間が一体になります。季節や時間とともに変わる光によって、空間は様々な表情を映し出します。

おそらく、「永遠」を正確に定義するとしたら、このような絶えず変化するかけがえのない瞬間になるのではないでしょうか。
拡大画像はこちら。
所在地:中国、合肥市
依頼主:中国国土資源局
建築:Vector Architects 直向建筑
デザイン協力:董功 Gong Dong
建築プロジェクト:陈嘉俊 Jiajun Chen,孙群 Qun Sun
構造・素材:鋼鉄構造、コールテン鋼パネル、繊維ガラス製パネル、セルフレベリング(自己水平性)床板、石膏ボード、竹製ベニア天井
敷地面積:900m2
構想期間:2009年7月~2009年11月
建築期間:2009年9月~2009年12月
構造・機械エンジニア:合肥市Huanyu Design Institute
写真著作権:Shuhe Photo, Vector Architects
投稿/クリス・バーンズ
翻訳/ハートフル・ジャパン
Dezeen記事(オリジナル)はこちら。



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