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マーク・ウッズの「To Have and to Hold」展

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ジュエリー作家, マーク・ウッズがロンドンにあるワッピング・プロジェクトでの展示のために、一連の呪物崇拝のオブジェを創作した。





「To Have and to Hold」と名づけられたこの展示では、金、銀、ダイアモンド、ルビーから作られた貴重な作品が取り上げられて紹介されている。



キュレーターはジュール・ライトで、作品はのぞき穴を通して見る。


「To Have and to Hold」展は2010年1月31日までの間、ロンドンのワッピングの水力発電所内で展示される。


ワッピング・プロジェクトからの詳細は以下。

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To Have and to Hold

ワッピング・プロジェクトが、宝石作家マーク・ウッズによるエロチックなオブジェや彫刻の「のぞき見ショー」を企画しました。

「To Have and to Hold」展は、ロンドンのワッピング・プロジェクトでの幻想的で刺激的なインスタレーションで、宝石作家マーク・ウッズによる数々のオブジェや彫刻のコレクションが紹介されます。

展示は、ワッピング・プロジェクトの謎めいた創立者でありクリエイティブ・ディレクターでもあるジュールズ・ライトが着想したものです。ライトはTo Have and to Hold展で、ライトの言葉で言うところの「心をかき乱し、歓喜させ、欲望を生み出す」仮想体験を創り出そうと、マーク・ウッズ、作曲家のビリー・コーウィー、そしてライターのデボラ・レーヴィーにコラボをさせました。

ウッズは、目を見張るような一点ものジュエリーで知られるコンテンポラリージュエリー作家で、その作品は世界中で注目の的です。しかし「To Have and To Hold」展でウッズは、挑発的な呪物崇拝的オブジェといった、非常に私的な作品群を紹介しています。金、銀、プラチナを使い、ダイヤモンドやルビー、象牙他、貴重な石で装飾した作品を通じて、ウッズが魅了されてやまない生体構造、女性特有の形(フォーム)への憧れが、複雑で誰もが欲しくなるような美しいオブジェとなって表現されています。

ウッズの創作を、デヴィッド・クロネンバーグの映画「デッド・リンガーズ」(1988年)でジェレミー・アイアンズが演じた錯乱した産婦人科医の作った婦人科器具になぞらえる人もいます。しかし、ウッズの非凡な作品固有の繊細美を否定する人もいます。

この貴重な作品群が与える衝撃は、ライトが仕組んだ挑発的ともいえるその展示法によってさらに強化されています。ワッピング・プロジェクトの下の階にあるギャラリーに入ると訪問者を出迎えるのは、黒いゴムで覆われた存在感を持った大きな木箱です。このワッピングプロジェクトのリノベーションを行った建築事務所Shed54がデザインしたものです。

一見したところ空間は空っぽに見えますが、近づいてみるといくつかの覗き穴があるのに気づきます。訪問者はこの穴のひとつからウッズが作った刺激的な作品を見ることになりますが、ひとつひとつの作品のために完璧に作り出された環境に置かれています。

ギャラリー内では、忘れがたい楽曲が反響していますが、これはスコットランド人の作曲家、舞踏家、そして映画製作者でもあるビリー・コーウィとライターのデボラ・レーヴィのコラボレーションによるものです。二人のコラボで出来上がった音風景(サウンドスケープ)「Walk into Me(私の中に入る)」は、ソプラノによりドイツ語で唄われ、その声はこのスペース内で何かを求め、興奮や緊張といった感覚を高調させ、経験の芝居性をより増強させるかのように、音楽を遥かにしのいでいます。


レーヴィが書いたソプラノの台本は、愛、憧れ、欲望の嘆きのように感じられます。言葉が巧みにコーウィの楽譜を潜り抜け、魔法のような効果を生み出しています。物語りそれ自体というより、雰囲気、感情、ミステリーを創り出すことにあり、それは理路整然としていながら同時に支離滅裂でもあります。レーヴィはグリム童話、シュールなオブジェへの愛、フロイト、仙人の住む森、新旧の押韻構成を取り入れています。

「To Have and To Hold」について、ウッズは驚くほど沈黙を決め込んでおり、訪問者自身が独自の見解を持つよう判断をまかせています。それでも更にコメントを求められて、彼が持ち出したのはマル・ド・サドからの引用でした。

"美徳を知るためには、我々はまず悪徳に身を染めねばならぬ"


ジュール・ライトがこれを補います。展示では、所有、所有物、収集物、収集と言った考え方が顕在化しており、マイセンのインペリアル・イースターエッグを所有することに取り付かれてしまった、ブルース・チャトウィンの小説に登場するウッツ男爵を思い起こさせます。To Have and To Hold展は、見に来た人が、そうした自分自身の行為と感情に、個人的に秘密裏にむきあうことを想定しています。


To Have and to Hold展は2010年1月31日まで開催されます(12月23日から1月4日まで休館)。
ワッピング・プロジェクト:ロンドンE1W 3SG、ワッピングウォール、ワッピング水力発電所内。
開館:毎日、正午から午後10時まで


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投稿/ ナターシャ・リヨンズ
翻訳/ハートフル・ジャパン 武田浩美


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