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セリエ・アーキテクツのデザインによる「The Tote」

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セリエ・アーキテクツのクリス・リー氏とカピル・グプタ氏は、インドのムンバイ市に、街路樹をイメージした晩餐ホールを完成させた。



「The Tote」と呼ばれるプロジェクトの構想は、植民地時代の建築物を部分的に復元し、拡張することを目的としている。



この建物は晩餐ホールと大広間、それにレストランとバーで構成されている。



デザインはこの場所に生息する木をヒントにしたもので、木の枝をイメージした鋼鉄製の柱は断面がI字型になっていて、建物を支えている。



照明は、これらの枝が天井と接する部分に、取り付けられている。



階上のバーを囲む壁は、交差する枝の模様に合うよう、木製の鏡板を組み合わせて作られ、青銅色で引き立つようになっている。



セリエ・アーキテクツ関連の情報はDezeenのBlue Frog Loungeを参照。



写真:フラム・ペティット

建築家からの説明は以下の通り。

セリエ・アーキテクツデザインのデザインによる「THE TOTE」

ムンバイ競馬場の敷地内にある、植民地時代の使われなくなった建築物が、レストランやバーに生まれ変わります。



保護条例により、建物の4分の3に相当する屋根は輪郭を保存し、残りの4分の1は完全な形で保存することが求められています。



しかし、この場所の興味深い点は、植民地時代の建築ではなく、成熟したアメリカネムノキの覆われた空間にあります。これらの空間は、長い年月をかけてアメリカネムノキの葉に広範囲に渡り薄く覆われているため、当初の計画がほぼ完全に遂行できる場所は、樹木の外側に限られています。






我々の構想は、性質の異なる連続した空間を、明確な仕切りを取り付けずに、保存された建築と一体化することです。つまり、新しい建築は、古い建築物の中に組み込まれることになります。



この建築では、木の枝をイメージした構造を取り入れました。上に向かって伸びる枝状の構造は、横に広がる保存された建物の構造と対照的な特徴を見せます。この対照によって、古い建物はレストランやバーを備えた新しい建物に生まれ変わります。




その結果、食事を提供する施設(ワインバー、レストラン、スタンドバー、晩餐会場)は、異なった空間に位置し、枝状の構造によってそれぞれ様々な特徴を映し出します。 



この構造は天井に近づくにつれて、細かく枝分かれします。枝が天井に接すると、天井面には、枝が母屋桁や梁と交差することによって生じるスペースが多くできます。これらが照明用の窪みや隙間になります。







建築要綱:「The Tote」の建設は、建築遺産の復元と、晩餐棟の取り壊し及び改築という複雑な作業を並行して行うものでした。



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木の形をした構造は、鋼鉄製の梁となって建物を支えます。その際に重要だったのは、建築構造をその土地の風土に合った工法で処理していくことでした。そこで我々が考えたのは、より精密な作業に相応しい業者として、建築業界の製鉄業者ではなく、ボイラーの製鉄業者と契約することでした。その結果、梁の断面として、四角形型とI字型という2つの可能性が浮かび上がったのです。





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I字型を選択した理由は、枝の部分をレーザーカットすることで、精度の高い立体感が生まれ、熟練した製鉄業者によって梁の溶接や組み立てが可能であるということでした。梁の構造を、角のないゆるやかな曲線に変えることで、接合部分を減らすことが出来ました。この建築の優れた特徴は、接合部分が覆い隠されることで、曲線からなる一体構造に見えることです。階上のバーは、木製の鏡板を複雑に組み合わせた立体感溢れる内装で、防音素材を使用し音響面でも配慮しています。鏡板は枝を広げた木々をイメージしています。



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枝によって隠された天井のプラスターボードやべニア板の隙間には、三か所の照明設備が組み込まれています。これにより、イベントに応じて様々な照明効果を演出することができます。


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我々はこの建築遺産の壁を、立体的な体系に基づいてデザインしました。それは鏡板仕上げが生み出す立体的な特色と、それぞれの接点に全く異なる3つの組み合わせ方が可能であるという点を考慮した結果なのです。この体系を取り入れることで、地域の職人は昔ながらの道具を利用して、高度な工程を駆使し、内装を仕上げることが出来たのです。鏡板仕上げにはクルミのべニア板を使用し、ブロンズ色の溝が木をイメージしています。

建築種別:晩餐ホール、レストラン、バー
 所在地: インド、ムンバイ
 敷地面積: 2500 sqm
 デザイン: Christopher Lee and Kapil Gupta
 プロジェクトチーム: Yael Gilad, Dharmesh Thakker, Suril Patel, Purva Jamdade, Advait Potnis, Vrinda Seksaria, Udayan Mazumdar, Mayank Ojha and Atish Rathod
 設計期間:2006年10月~2007年9月
 施工期間:2007年12月~2009年10月
 構造エンジニア: Facet Construction Engineering Pvt. Ltd
 機械・電気エンジニア: AARK Consulting
 照明デザイン: Abhay Wadhwa Associates
 音響デザイン: Nexus Audio Video with Ole Christensen
 景観デザイン: Apeiron Architects
 プロジェクト統括: Masters Management Consultants
 金属加工: Unique Concrete Technologies
 内装業者: Interex
 提携建築家: Barai Architects and Engineers


投稿/ローズ・エサリントン
翻訳/ハートフルジャパン 鳴海 亨


Dezeen記事(オリジナル)はこちら。 









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