オランダ・デザイン・ウイーク
オーストリア出身で今年修士課程を修了したソーニャ・ボーメルは、今週開催されたデザインアカデミー・アイントホーエンの卒業制作展示会で、環境に影響を与える衣服を作る上で、人間の皮膚の表面にいるバクテリアをどのように利用できるかをテーマに、一連の作品を発表した。
この「(不)可視性膜」に関する研究プロジェクトは、4つの独立した取り組みから成り立っていて、その中の一つに衣服の繊維が最も暖かさを要求される体の部分に集中することをテーマにした作品がある。
このプロジェクトに関する更なる資料や動画の参照がBaumel's websiteで可能。
この研究が評価され、ボーメルは来年2月にケープ・タウンで開催されるデザインインダバ会議に参加し、自身の研究成果を発表するという栄誉を与えられた。
一部の写真の著作権はアンドレア・バンドニ氏にある。
デザインアカデミー・アイントホーエンからの情報は以下の通り。
デザイナー/ソーニャ・ボーメル
研究分野/IM(不可視性膜)
卒業年度/2009年
写真/レネ・ファン・デル・フルスト
プロジェクト:不可視性膜「体の表面に宿る生命とそのデザインへの応用」
私のテーマは、個人のアイデンティティと周りの環境のバランスを見出すという点において、従来のファッションデザインに関する科学的データや方法とは対立するものです。私は、個人と個人を取り巻く環境の相互作用を土台に、もう一つの新しい生きた層を体の表面に作り出そうとしているのです。
私は(ファッション)デザイン、芸術、科学の共通点を探り、各分野の特性を集結した作品を作りました。その元となったのは、人間を取り巻く小宇宙を理解しそして利用するための、新しい方法を確立するために行われた、デザイン・科学双方の分野における研究でした。私が伝えなければ世に知られないままに終わるであろうその研究成果を、生物学者との共同作業を通して、科学的技術を用いながら視覚的に美しい形で発表したいと考えたのです。私が最も興味を持ったのは、内側と外側の間の層、すなわち人間の皮膚でした。
人間の皮膚にはもう一つの層があり、それは生命に満ちていて、膜としての役目を果たします。この体の膜は私たちの住む世界と同じ構造です。人の体は皮膚で完結するのではなく、見えないながらも空間に向かって広がっています。目に見えない隠れた膜が、体と空間の間に存在します。この見えないミクロの領域に顕微鏡を使って入り、ミクロの世界を拡大することもできます。もし、人間の体にあるミクロの世界を肉眼で見ることができたら、どんなに素晴らしいでしょう。私はそのような考え方に懐疑的な人々に対し、私たちの体には無数のバクテリアが宿り、肉体を客観的に見ることは、自己を客観的に見ることと深いつながりがあるという事実で対抗したいと考えています。
私の構想は、皮膚のバクテリアが集まってできた知能とも言える見えない層を、目に見える機能性と適応力を持った膜に作り変えることです。私は、皮膚の上のこの新しい衣服が私たちの環境との関わりを変え、健康面での利点もあると確信しています。人間の体は皮膚で完結するのではなく、見えないながらも絶えず空間に広がっているのです。
投稿者/マーカス・フェアーズ

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