このセンターは、ひとつひとつの建物の外壁がひだ状をなし、全体としては山脈のような形となっている。また自然通風装置が備え付けられ、発電には太陽光パネルが使われる。
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MADの建築家たちが考えたのは、街の風景とセンターの外観を一体化させることである。
この計画についてMADから届いた詳細は以下の通り。
台中コンベンションセンター2009
中国に本社のある建築家集団MADは、つい先頃台湾政府の委託により、彼らにとっては台湾での初めてのプロジェクトとなるコンベンションセンターのデザインを完成させました。
台中は今、地方都市から脱皮して新たに都市として生まれ変わろうとしています。文化的視点からこの都市の景観を見直し、世界一流の都市の仲間入りをするため、それを象徴するようなランドマークを必要としているのです。
そのためには独創的な建築概念と新しい建築哲学が求められます。
そして作られる新しい建造物とは、単に高さや視覚的なインパクトを追求するものではなく、何よりもまず市民の楽しみを育み、コミュニケーションや想像力を豊かにすること、そして私たちの文化と自然の関係を見直すためのものでなくてはなりません。
今回のプロジェクトは自然と風景の間に一体感を持たせるという、自然主義的な精神に基づきながら、将来のあるべき姿に対するビジョンをも表していると思います。このデザインは中国が長年にわたって育んできた全体的融合性と、整然とした空間に対する建築的な考え方を受け継いでおり、また人と自然の調和と循環という、東洋思想の本質をも取り入れているのです。
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この巨大なプロジェクトを目の当たりにすると、建築とはもはや様々な建物が個別に存在するものではなく、ひとつの大きな集合体であるべきだということがわかるでしょう。
その結果として生まれる空間は、空気、風、光などで成り立つ自然の秩序の中に存在し、人と自然の間に調和を育むことになるのです。
このプロジェクトそのものも、そしてその現場も、本質的な躍動感に満ちています。この建築が作り出す「山」は一見、抑制と統一のとれた外観を呈していますが、それにもかかわらずその外貌の下には「場」が持つ潜在的な可能性が、発見されるのを待っているのです。
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実はこの建築物のクレーターのような作りと丸みを帯びた形は、立地条件を考慮した結果、生まれたものです。
環境に優しいひだの付いた皮の構造 + 一般的建築工法
それは周囲の環境に新たな形を与え、影響を及ぼします。建築と景観の対話はそこから始まるのです。
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「山」の形をした外壁には、高度な技術を駆使して、環境に優しいひだ状のスキンシステムが用いられました。スモックのような覆いのため高い通気性が維持され、またソーラー発電によりエネルギー消費は最小限に抑えられます。
オープンスペースである中庭は、個々の「山」をつなぐだけでなく、自然と連続する屋外空間とも融合しています。
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紫禁城や古代中国の庭に表れている、人間と自然との間の調和のとれた共存を、人々は歴史的に追い求めてきましたが、このプロジェクトの意味も物質的な側面にではなく、そういった自然主義の精神が凝縮された空間にこそ存在しているのです。
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ここでは一本の木や竹藪、または池などが、空間の中心的存在になります。このような持続性を持った開発とは、技術ではなく伝統的な考え方や美的感覚に基づいて生まれるものなのです。
台湾、台中
形態:展示、コンベンションホール、オフィス、ホテル、店舗
敷地面積:70,318平方メートル
建築物延べ面積:216,161平方メートル
高さ:39メートル~85メートル
外壁:太陽光発電ガラスプリートスキンシステム
投稿者/ブラッド・ターナー
翻訳者/ハートフル・ジャパン 鳴海 亨
Dezeen.com オリジナル(英語)はこちら。


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