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ステファン・ウルリッヒ作「Functionide」

ドイツのデザイナーステファン・ウルリッヒ氏は、人工筋肉の技術を利用して、孤独を癒すことを目的にした、形が変化するコンセプトアートをデザインした。
ウルリッヒ氏は自らの卒業制作として、電流を流すと形が変化する電場応答性高分子と呼ばれるプラスチックの研究を行った。
ウルリッヒ氏は、将来これらの素材が物の形や表面の感触を変えることができるようになるであろうと述べている。
感情の欲求を満たしてくれる幻想的な生き物として、人間は将来ロボットに頼るであろうと彼は考えているのだ。
ウルリッヒ氏は空圧電気自動制御技術を提供しているドイツのFesto社とスイスの材料試験研究所(EMPA)との二ヶ月に渡る共同研究を行い、新しい素材がこれからの製品に及ぼす潜在的な影響について調査した。
「Functionide」がまるで呼吸をしているかのように、ゆっくりと形を変えていく様子
はここをクリック。
ステファンからの詳細
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「Functionide」-新たな希望
二ヶ月に渡るドイツFESTO社とスイスEMPAとの人工筋肉(電場応答性高分子)に関する共同研究に基づき、私の仕事は新しい技術が将来、製品、社会、さらには人間の関わり方をどのように変えていくかに絞られている。
いつの日か電場応答性高分子のような生きた素材が、私たちの製品に関する考え方を大きく変えるでしょう。動いている膜の表面の触感を変えることから、形自体を変えるに至るまで、製品は新たな段階に入っていくことでしょう。つまり、これからの製品には、ある意味で「生命」があるのです。実際に、この研究の結果生まれたものは、その前提の下で、今後製品のデザインがどのように進化していくかというビジョンなのです。
その製品の一つが「Funktonide」と呼ばれるものです。それは形が一定しない物体で、持っている人はそれによって他者の存在を感じ、孤独が癒されるのです。これから先、人は孤独になり、物が新しい世界をすべて与えてくれるということに気付くと、結局は感情の欲求を満たすためにロボットに頼ることになるのです。
このことは多くの問題を提起するでしょう。例えば、社会的な孤独感を和らげる一手段として提案された物それ自体が、解決方法になったらどうなってしまうのか。
人間が今まで以上に物に頼るようになったら、人間同士の繋がりはどうなってしまうのか。これらの物はどのような形をし、さらに重要なことはどう行動をするか。などです。
このように、この作品の意図は過激な論争をイメージさせ、それによって私たちがどの程度まで高度な製品に感情的な欲求を満足させて欲しいと願うか、という問いかけをすることになるのです。これらの問いかけをしていくことは、今後製品をデザインする上で責務の一部になるでしょう。
この状況が作り出す矛盾は、物が人によって大きく異なる孤独感の解決策になるという認識がある一方で、そのような状況は何としてでも避けなければならないという共通理解なのです。
稿者/ブラッド・ターナー
翻訳/ハートフル・ジャパン 鳴海 亨
Dezeen.com オリジナル(英語)はこちら。
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