「(デザイン性の高い)個性的な住空間」
機能が導き出したデザイン集合住宅

 「(デザイン性の高い)個性的な住空間」をテーマに、大小さまざまな部屋からなる集合住宅の模型を展示したエイブル。賃貸物件を扱う住関連サービス企業として、部屋を“自分が自分でいることのできる唯一の場所” “誰にも邪魔されたくない最も居心地のよい場所”と定義し、住空間に学生たちならではの個性を投影させた。この“個性的な住空間”が意味するのは、人それぞれの楽しみ方を実現するための一人暮らしというスタイル。個性を反映させるための空間として一人暮らしを解釈し、一人暮らしならではの価値を持たせたワンルームの可能性を追求した。

最初のワークショップで学生が与えられた課題は、30平方メートル、60平方メートル、90平方メートル、120平方メートルという広さの違う4種類の個性的な部屋を考えるというもの。学生は学校単位でチームを組み、それぞれ思い思いの部屋をプレゼンテーションした。そのアイデアを、プロジェクトデザイナーを務めた建築家の納谷学氏と納谷新氏と共にブラッシュアップしていく。
合計4回のワークショップを終え、住む人の個性に則した部屋の姿を突き詰めていった結果、ワンルームならではの用途や人々の住み方がくっきりと浮かび上がってきた。例えば、独身女性が結婚前に一人暮らしするための集合住宅ならば、充実したクッキングスタジオが完備されているという具合に、住む人の個性から部屋の機能が導き出されていくのだ。当初は学校ごとにテーマを設けた集合住宅を展示する予定だったが、これらの個性的なアイデアを重視し、ワンルームを集積させた一つの大きな集合住宅の制作に切り替えた。

こうして完成したのは、それぞれの学生が手掛けた個別の部屋でありながら、集合住宅としても成立する大掛かりな展示作品。
エイブルの担当者関野氏はこう語る。「学部も学科も違う、それぞれの個性を反映した空間をひとつにしたものが、今回考えたデザイン性の高い個性的な住空間だった。全員で一つの作品を作り上げる共同作業を通じて、学生たちの結束が固まっていく様子から、学生たちの成長を感じ取ることができた。それぞれの部屋は素晴らしいものでしたが特にPEGWALL、ありの巣、空中住宅などの斬新なコンセプトは今後の賃貸住宅市場ビジネスに刺激を与えてくれる発想と感じました」。

学生たちが思い描いた未来のワンルームは、それぞれの暮らし方やワンルームならではの楽しみ方を的確に表現している。その一方で、個性のあるデザイン性という共通項の上に、ひとつの集合住宅としての秩序を保った展示が完成した。

写真上:個性あふれる38部屋が集まった集合住宅ブース。
写真下:文字が空間を作り出すという大胆な発想から見ても住んでも楽しい部屋を提案。

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